About
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)とキューネ気候センター (Kuehne Climate Center) による新たな取り組みは、世界的なエネルギー移行が加速する中で、化石燃料輸送を担う海運セクターが直面する財務リスクの高まりに焦点を当てています。Shipping Transitionプラットフォームを通じて、関係者は化石燃料輸送船向け投資リスクモニター(Investment Risk Monitor – IRM)にアクセスすることができます。このインタラクティブなツールは、世界の船舶フリート全体における座礁資産リスクを評価するために設計されています。
UCL海運・海洋研究グループとキューネ気候センターによって開発されたIRMは、1.5℃のパリ協定整合シナリオから最大4℃の温暖化シナリオまでの複数の気候経路において、化石燃料需要の減少が原油、LNG、LPGを輸送する船舶の稼働率や収益性にどのような影響を与えるかを分析します。需要が減少する一方で供給能力が過剰となる場合、船舶は稼働機会を失い、期待収益を確保できず、結果として減損や座礁資産化のリスクが高まります。
本ツールは、将来の需給バランスをフリート全体で俯瞰する中長期的な視点を提供し、稼働していない船舶の正味現在価値(NPV)に基づいて、リスクにさらされる資本規模を推計します。また、2025年以降新規発注が行われないシナリオと、2030年まで過去の成長率に基づき新造船が継続されるシナリオの比較が可能です。
このように、IRMは、船主、投資家、政策立案者に対して、将来の市場不均衡を見据え、過剰投資を回避し、急速に変化するエネルギー環境においてより適切な意思決定を支える、分かりやすくデータに基づいた洞察を提供します。



